
受け継がれる大地の記憶――大井谷棚田
2024/11/17(日)目次
何百年もの歳月を刻みながら、今もなお人々の暮らしとともに息づく――大井谷の棚田。
先人たちが丹精込めて築き上げた石垣は、まるで大地の歴史を語るように連なり、、なめらかな曲線を描きながら、山の斜面を包み込む。
この棚田では、昔ながらの農法が今も大切に守られ、世代を超えて受け継がれている。
春、水を張った田が陽の光を映し、風がそっと水面に波紋を描く。
夏、濃い緑の稲が風に揺れ、生命の息吹が満ちる。
秋、稲刈り機の音が響き、黄金色の穂が刈り取られたあと、天日に干されながら次の季節への架け橋となる。
そして冬、静寂のなかでじっと息をひそめ、めぐる春を静かに待つ。
この棚田を潤すのは、山からこんこんと湧き出る清らかな水。
田の間を流れ、稲を育み、やがて山あいの集落へと静かに溶け込んでいく。
その水が運ぶのは、ただの恵みではない。それは、昔から変わらぬ里山の暮らし、人々の営み、そして自然と共に生きる知恵――。
ゆったりと流れる時間の中で、山あいの風景に身をゆだね、自然の息吹を感じながら、映像を通して大井谷棚田の魅力を味わってみませんか?